"Good enough"

統計の授業でこんな話があった。

品質管理で使う統計の一番の基本は、製造物の品質を数値化して中略する事だ。[品質の *良さ* の数値化ではなくて、品物の性質の測定値の話。紙の厚さとか、機械油の粘度とか。]測定値の目標値からのずれ d が標準偏差の k 倍以内なら合格で n 倍以上なら工程の見直しをする、と決める。工程の見直しは勿論時間と金がかかる。
ところで昔の USer の考え方はこうだった。「d < k なら "good enough" じゃないか、何を金と時間を浪費して見直す必要があるというのかね。k = n でよかろ。」その後、日本製品の品質がどんどん向上していくのを見て、日本から技術者を招いて品質管理を学ぼうとする企業が現れた。[...]日本企業の発想はこうだったのだ。「常に d < k を維持するには d ≧ k が頻発するまで待っていては駄目だ。n を k より小さく設定するべきだ。」

この「日本企業の発想」をして perfectionism とか言ってた。
個人経営の製造業ならともかく、大企業までそんないい加減に動いてたのか? とか思うけど、確かにそんな実感はある。機械の parts とか、紙を綴じる binder とか、びみょ〜にしっかりはまらないのが普通だし、シャーペンの芯とかちょっと通りにくいのもあればガクガク揺れるのもあるし。全体的に consistency が低い感じ。物によってはこれで改善したのか? と思うことも。
ちなみに教授はこんな事も言ってた。

管理職の中にはこの話をすると不審がる人がよくいる。「技術の向上によってσが減れば、広がりと一緒に要求範囲も狭まる。このイタチごっこはいつ終わるのかね」と。

いや、そんな無能な管理職は早く首にした方がいいような…
まあこれは極端な例なんだろうけど。